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BLACK WOLF~crime~
第1章 籠ノ鳥


あ……。

痛いところを突かれた…。

図星だからだ。


私が今1番辛く感じてる事だ。


幼馴染みのハルちゃんに相談する前に恋人の黒埼さんに相談するのが先。

黒埼さんは年上だし私やハルちゃんよりもしっかりしたアドバイスをくれるかも知れない。

でも…

「く、黒埼さんは…その…いろいろ忙しいから…、相談に乗る時間もあんまり…」


缶コーヒーを持つ手が震える。

ハルちゃんの前で黒埼さんの話はあまりしたくない。

それでも、私は無意識のうちに黒埼さんを庇っている。

「どんなに忙しくても彼女が悩んでるんだろ?相談に乗る時間ぐらい作れるだろっ?」

「そ、それは…」


違う。

私が勝手に遠慮してるだけだし、黒埼さんに言っても仕方の無いことだと心のどこかで諦めてる。

それに、相談する前から"つまらない事"だと切り捨てられちゃったし。

「お前、あの男と━━━━━━━」

「言わないでっ!」


やめて…。

自分でもわかってる。

私と黒埼さんは不釣り合いだ、と。

わかってるけど、好きだと言う気持ちでこまかしてた。

ハルちゃんの口からは聞きたくない。

トドメを刺さないで━━━━━━っ!




「舞…」

好きだから…、言えない事だってある。

ハルちゃんの言葉を聞きたくなくて思わず耳を塞ごうとした瞬間












「何してるんだ?お前達…」










私とハルちゃんに訴えかけるような声が聞こえた。











この声、は…。

塞ごうとした耳にもハッキリ聞こえた、男性の声。

その声の主の方にゆっくり視線を向けると。












「あ…っ」

「なっ、てめぇっ…、何でここに…?」

















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