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BLACK WOLF~crime~
第10章 最後ノ恋
「そんなメンタルで人の面倒を見る仕事に着けるのか?」
クスッと笑う黒埼さん。
変だな、前みたいに腹が立たない。
寧ろ、こんな弱いメンタル、自分でも嫌になるぐらい自覚してる。
「私は…、黒埼さんと違ってデリケートだから…」
「失礼だな。人を鬼か何かみたいに言いやがって」
膝の上に置いたパンフレットに涙がぽつりぽつりと落ちる。
ズッと鼻を啜る音も今だけは見逃してくれてる。
けど、昔の黒埼さんならハルちゃんを想い泣いてる私を許してくれなかった。
怒鳴ったり、厭らしい嫌がらせをしたり、こんなふうに私の気持ちを汲んでくれなかった。
今だってこうしてハルちゃんの薦めで専門学校に通うことを応援してくれてるみたいだし。
これも、全部ハルちゃんのお陰━━━━━━━。
「まぁ、その学校は全部俺の会社の傘下に入ったからな」
「は…?━━━━━━えっ!?」
黒埼さんの台詞に窓の外に向けてた顔を一気に引き戻し黒埼さんの方へと向けた。
驚いて…、涙も引っ込んだ…。
傘下…?
傘下って…?
嫌な予感がした。
黒埼さんは、素知らぬ顔で車を運転してる。
「ど、どういう事ですか…?」
「そのパンフレットに載ってる全ての学校と話を付けた。多額の寄付金でな」
忘れてた。
この男はあの黒埼 明だ。
そう簡単にこの人の手の内からは逃げられない。
自由にはなれない。
「ちょっと目を離すと何かしらのトラブルに巻き込まれやがって。心配で仕方ねぇ」
まぁ、確かにその通りだけど。
クスッと笑う黒埼さん。
変だな、前みたいに腹が立たない。
寧ろ、こんな弱いメンタル、自分でも嫌になるぐらい自覚してる。
「私は…、黒埼さんと違ってデリケートだから…」
「失礼だな。人を鬼か何かみたいに言いやがって」
膝の上に置いたパンフレットに涙がぽつりぽつりと落ちる。
ズッと鼻を啜る音も今だけは見逃してくれてる。
けど、昔の黒埼さんならハルちゃんを想い泣いてる私を許してくれなかった。
怒鳴ったり、厭らしい嫌がらせをしたり、こんなふうに私の気持ちを汲んでくれなかった。
今だってこうしてハルちゃんの薦めで専門学校に通うことを応援してくれてるみたいだし。
これも、全部ハルちゃんのお陰━━━━━━━。
「まぁ、その学校は全部俺の会社の傘下に入ったからな」
「は…?━━━━━━えっ!?」
黒埼さんの台詞に窓の外に向けてた顔を一気に引き戻し黒埼さんの方へと向けた。
驚いて…、涙も引っ込んだ…。
傘下…?
傘下って…?
嫌な予感がした。
黒埼さんは、素知らぬ顔で車を運転してる。
「ど、どういう事ですか…?」
「そのパンフレットに載ってる全ての学校と話を付けた。多額の寄付金でな」
忘れてた。
この男はあの黒埼 明だ。
そう簡単にこの人の手の内からは逃げられない。
自由にはなれない。
「ちょっと目を離すと何かしらのトラブルに巻き込まれやがって。心配で仕方ねぇ」
まぁ、確かにその通りだけど。