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BLACK WOLF~crime~
第11章 BLACK WOLF
-3年後-
「舞ちん、お疲れー!」
「お疲れ~」
とある会社のロッカールーム。
仕事を終えた私は仕事着から私服へと着替えている。
そして、私の隣のロッカーから私に話しかけて来てるのは私の同僚のミサ。
「ねぇねぇ!駒田のお婆ちゃん、やっと私の名前覚えてくれたんだ!すごい進歩っしょ!?」
「へぇ。私なんて未だに"舞さん"って敬語使われてるのに」
そう。
私は今この介護ホームで介護士として働いている。
ミサは私と同じ時期にこのホームに就職をした、ショートカットのよく似合うボーイッシュで元気な女の子。
年齢が近いこともあっていつもこんなふうに談笑している。
「ねぇねぇ舞ちん、今日この後暇?よかったら駅前のイタリアンにパスタ食べに行かない?リーズナブルな値段なのに具だくさんでさぁ!そこのシェフもめちゃめちゃイケメンで…」
「はいはい。ミサはそのイケメンシェフが目当てでしょ?」
「あ、あはは~」
ミサはいつもこんな感じ。
恋に恋をしてるってところかな?
「だってさぁ、花の20代なのにいい出会いがないまま彼氏も作らないままなんて寂し過ぎない?仕事ばっかじゃ気が滅入っちゃうよ~」
先に着替えを終えたミサは私の隣でロッカーに持たれながらズルズルと床に腰を下ろしてしまった。
この仕事はどうしても体力が必要だ。
仕事を終えた瞬間に全身の力が抜けてしまうのも無理はない。