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BLACK WOLF~crime~
第2章 森ノ蝶
不思議に思いながら言われた通り私も作業服に着替えて作業場へ向かうことに。
大丈夫、仕事が始まればいつもと同じ。
昨日サボッちゃったぶんちゃんと頑張らなきゃ。
決意を新たに作業服の襟を正した。
「おはようございます」
作業場には何人かの社員さんやパートさんが既に待機している。
その人達に歩きながら明るい声で挨拶を交わして行ったが…
「おはようございます」
「あ、あら、おはよう…」━━━━ヒソヒソ
「おはようございます」
「お、おはよ…」━━━━━ヒソヒソ、ヒソヒソ
……何?
何なの、一体…。
ヒソヒソ━━━━「嘘、あの子が?」
ヒソヒソ━━━━「そうは見えないけど…」
ヒソヒソ━━━━「えー…じゃあ私達の事をさ~…」
挨拶をした私に一応挨拶は返してくれる。
けれど、工場長さんやさっきのパートさん達同様、その視線はすぐに反らされて、何やらヒソヒソ話が聞こえる。
まるで、私を指差しながら小声で何かを言ってるみたいに。
昨日サボッちゃったこと?
腫れた目や怪我をした腕を見て変に思われてるの?
違う。
今、私に向けられている視線は何だか冷たい。
ヒソヒソ話も悪口を言われてるみたいに感じる。
ヒソヒソ、ヒソヒソ
ヒソヒソ、ヒソヒソ
何なの…。
何だか、居心地が悪い。
どうして?
私一体、何かしたの?
やっぱり、昨日のこと、他の皆さんは起こってるのかな?
それならヒソヒソ言われても仕方ない。
「今時の若いもんは」とか言われてるんだろうか。