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BLACK WOLF~crime~
第3章 蜘蛛ノ糸
本当はこんな事してる場合じゃない。

考えなきゃならないことはいっぱいある。

けど、今は…、幼馴染みのハルちゃんといる時だけは何も考えずにいたい。

ただ、楽しいという思いだけで心を弾ませていたい。

ハルちゃんが帰った後、どうせまた辛くなるんだから、今だけは…。



今だけは、どうか━━━━━━━━




プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…


ビクッ


「あ、電話?俺に気にせず出ろよ」

「あ、うん…」


鳴り響いた携帯の着信音。


プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…


「どうした?出ねぇと切れるぞ?」

「そ、だね…」


どうして…。

どうして今かかって来るの?

今だけはやめて欲しかった。

ハルちゃんといる時だけは…


あまりにも出ないままじゃ不自然だと思い、携帯の画面を見ると


見知らぬ番号からだ。


「………っ」

「舞?」

プルルルル…、プルルルル…

私の手の中で鳴り続ける携帯。


「出ねぇの?」

プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…プルル━━━━━━

「あ…、昔の友達だった。…この子話し出したら長いんだよね…。今は長電話より私の将来の事を考えなきゃ」

「いや、だからってお前無視はねぇだろ~」

あははと笑うハルちゃん。

さすがにハルちゃんの前であの電話は取れない。


プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…


「…………なっ」

「また鳴り出した。せめて出るだけ出てやったら?」

どうしてこんな時に…?

お願い、今だけはやめて…っ。



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