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BLACK WOLF~crime~
第3章 蜘蛛ノ糸
両親は死んじゃったし、叔母さんの家に転がり込んだら今度は叔母さんに迷惑がかかるし心配かけちゃうし。

だからと言って、黒埼さんの家に行くのも気が引ける。

そもそもこうなった原因は黒埼さんにあるのだから、その黒埼さんの元へ行くのだけは嫌だった。

悔しかった。


「━━━━━俺の家に来いっ!」

「えっ!?」


私の肩を掴んでそう言ってくれたハルちゃんだけど…

ハルちゃん、何を言ってるの?

目をパチクリと瞬かせていると


「事情は大体わかったし遠慮しなくていいっ!それに、お前には俺がいるってわかれば嫌がらせも次第に減ってくだろっ?」

「そんな…出来ないよ…っ」

だって、昔ハルちゃんは私を家に招き入れたせいであんな目に遭わされたんだ。

もし、黒埼さんにバレたら今度こそ何をされるかわからないし、私はこれ以上ハルちゃんを傷つけたくない。

こうして心配してもらえるだけで充分なんだから。

「俺がいいって言ってんだからっ!あの男に頼るのは嫌なんだろ?」

「そ、それは…」

「……心配しなくても、もうあんな事しねぇから。お前には指1本触んねぇから」


━━━━━━っ。

昔、黒埼さんの邸から逃げ出してハルちゃんの家に匿ってもらった時。

ハルちゃんの気持ちを聞かされて告白されて、未遂だったとは言えハルちゃんと…。


だったら、余計にハルちゃんの家には行けない。

もし、ハルちゃんの気持ちが昔と変わってなかったら…、そんな酷いこと出来ない。

それに、例えこうなった原因が黒埼さんにあったとしても、バレたら黒埼さんがどう思うか…。

「ハルちゃん、ありがとう。私は心配してもらえるだけで充分だから」

「でもお前、このままじゃ…」






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