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BLACK WOLF~crime~
第1章 籠ノ鳥
1DKの小さなアパート。
家具は必要なものしか揃えてない。
小さなテレビと洋服ダンス、それなりの家電品。
「はぁ…何作ろうかな…」
畳の床に座りながら寛ぎながら今日のことを思い出した。
今は生活するのに困ってはないが、私はずっとここにこのまま?
酒井さんのあの充実した笑顔を見ているだけで何だか自分だけ取り残されたみたいに感じた。
道ですれ違う人、電車のホームに溢れ返る人、みんなみんなちゃんと自分の人生を生きてる。
自分の思う道を歩いてる。
なのに、私は何も出来ないでいる。
空っぽなままだ。
…私の足元に大きな穴が出来たみたいだ。
油断すれば、この穴に飲み込まれ落ちて行ってしまう。
窓からは何も聞こえない。
叔母さんのアパートみたいに電車の音が聞こえるわけでもないし、黒埼さんの家みたいに実家を思い出させる緑もない。
私はただ、ここで生きてるだけの…、人形。
『━♪♪━♪…━♪━♪♪…』
「…っ!」
静かな部屋で考え事をしている最中、鳴り響いた私の携帯。
その音で現実に戻ったかのようにハッとした。
…あ、携帯は鞄の中だ。
鞄の中の携帯の画面を見ると
【黒埼さん】━♪━♪━♪♪━…
電話の主は黒埼さんだ。
…今、特に話したくない相手だけど出ないと後で怒られる。
何だろう、こんな時間に。
電話に出るためにスマホの画面を指でなぞった。
「━━━もしもし?」
『あぁ、俺だ。今どこだ?』
「もう、家ですけど」
『あぁ、そうか。いつもなら俺が帰るまで待ってるだろ』
「………あ、別に」
いつもなら黒埼さんの帰りを待って一緒に食事をする。
今日は私が先に帰っちゃったから…。
家具は必要なものしか揃えてない。
小さなテレビと洋服ダンス、それなりの家電品。
「はぁ…何作ろうかな…」
畳の床に座りながら寛ぎながら今日のことを思い出した。
今は生活するのに困ってはないが、私はずっとここにこのまま?
酒井さんのあの充実した笑顔を見ているだけで何だか自分だけ取り残されたみたいに感じた。
道ですれ違う人、電車のホームに溢れ返る人、みんなみんなちゃんと自分の人生を生きてる。
自分の思う道を歩いてる。
なのに、私は何も出来ないでいる。
空っぽなままだ。
…私の足元に大きな穴が出来たみたいだ。
油断すれば、この穴に飲み込まれ落ちて行ってしまう。
窓からは何も聞こえない。
叔母さんのアパートみたいに電車の音が聞こえるわけでもないし、黒埼さんの家みたいに実家を思い出させる緑もない。
私はただ、ここで生きてるだけの…、人形。
『━♪♪━♪…━♪━♪♪…』
「…っ!」
静かな部屋で考え事をしている最中、鳴り響いた私の携帯。
その音で現実に戻ったかのようにハッとした。
…あ、携帯は鞄の中だ。
鞄の中の携帯の画面を見ると
【黒埼さん】━♪━♪━♪♪━…
電話の主は黒埼さんだ。
…今、特に話したくない相手だけど出ないと後で怒られる。
何だろう、こんな時間に。
電話に出るためにスマホの画面を指でなぞった。
「━━━もしもし?」
『あぁ、俺だ。今どこだ?』
「もう、家ですけど」
『あぁ、そうか。いつもなら俺が帰るまで待ってるだろ』
「………あ、別に」
いつもなら黒埼さんの帰りを待って一緒に食事をする。
今日は私が先に帰っちゃったから…。