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BLACK WOLF~crime~
第3章 蜘蛛ノ糸
「や、だ…っ、やめてっ!」
「今回は見せつけるんじゃない。声だけ聞かせてやるんだから優しいもんだろ?」
やだ…。
お願いだから、これ以上ハルちゃんを苦しめないで。
傷つけないで…っ。
ドンドンッ、ドンドンッ、ドンドンッ
「出て来い黒埼っ!!舞に触るなっ、最低野郎!」
ハルちゃんが叫んでる隙に私は黒埼さんに捕まってしまった。
そのまま床に倒されてしまい
「んっ、う」
絡み取られるような濃厚で甘い口付けを交わされていた。
ドンドンッ、ドンドンッ
「舞っ!!」
「ハルちゃ…っ」
「あんまり大声を出すと近所迷惑だ。それにここで騒ぎを起こしたら舞が住み辛くなるんじゃないのか?」
━━━━━っ!!
その一言でドアを殴る音が止んだ。
黒埼さん、それが目的だったんじゃ…。
ここで騒ぎ続けたらまた私が白い目で見られてしまう。
そうなるとここに居づらくなる。
それを全て見越してこんな事を…。
「…………クッソ」
「ま、あんだけ騒いだんだから手遅れかもな。そうなったらまた俺の邸に住めばいいさ」
「ふざけ…、ちくしょー…」
黒埼さんは本気だ。
近所迷惑を考えると私もこれ以上叫べない。
「…んっ、は」
黒埼さんの指が私の下半身に伸びる。
指先の動きだけで黒埼さんの気分がわかる。
愛撫も前戯もなく荒々しく乱暴に動く指先。
いつになく黒埼さんは怒ってる。
ハルちゃんに聞かれたくなくて、近所迷惑になりたくなくて手で口を押さえて声を殺す。
次第にドアを殴る音も聞こえなくなっていた。
「は…あっ」
「静かになったな。諦めて帰ったか」