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BLACK WOLF~crime~
第3章 蜘蛛ノ糸


必死に声を抑えるが両手の隙間から荒い息遣いが漏れる。

…お願い、ハルちゃんにだけは聞かれませんようにっ。


「強情だな。さすが俺が選んだ女だ」

そう言いながら黒埼さんはベルトのバックルを緩め、ズボンのチャックを下ろしだした。



黒埼さんに選ばれた女?

…あぁ、そうだ、私は黒埼さんの恋人のはずだ。

なのに、どうしてこんな扱いを受けてるの?

どうしてこんな酷いことをするの?

私が憧れた恋人は…、辛いときや悲しいときは相談し合って助け合って労りあって

どんなことでも分かち合えるような、そんなものだった。

休みの日はいろんな所をデートして、たまには大喧嘩したりして、それでお互いをわかり合える、そんな仲。


けど、現実は違った。



「これだけ濡れてんだから痛くねぇだろ?」




好きになったのは社長さん。

社長さんだから、普通の恋人同士がするようなデートは出来ない。

諦めた。

けれど、それ以外は普通の恋人っぽいことをしたかった。

黒埼さんの悩みなんて私にはわからないけど、せめて私の悩みを聞いてくれてもいいんじゃないかって思ってた。


けれど、それさえもなかった。

黒埼さんとは、それさえも━━━━━━



「━━━━っ!」

「ん…っ、ん、ぁぁぁぁっ!!」



下半身に感じた突き上げられるような感覚。

その感覚に我慢出来ず小さな悲鳴が漏れた。

「んっ、んあっ!ん、んっ、んぅっ!」

突き上げられる度に声が、涙が溢れる。

我慢しなくちゃならない辛さと悔しさ。

声を押し殺してるせいか喉がじんじん痛い。


ダメ…、我慢出来ない…っ


「はぐっ、は、んぐっ!!」

口を塞いでる為に両手は使えない。

それを良いことに黒埼さんの動きは激しさを増すばかり。


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