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快楽の奴隷
第8章 抉じ開けられた禁悦
しかし花純だけは少し戸惑ったように表情を曇らせた。

「あ、すいません。私、二次会には参加しないんで……」

そう言いながら二次会に参加する他のメンバーより少し下った位置に移動する。

「えー? そうなんだ。一緒に行きましょうよ」

背の高い男は優しげな顔を更に優しく微笑ませて、尚も花純に食い下がった。

「そーだよ、花純!! 一緒に行こうよ!!」

披露宴の盛り上がった空気は参列者たちの気持ちを昂らせていた。
一人盛り上がりきれていない花純は困った顔で笑い、場の空気悪くしないように丁寧に断る。

その男はまだ引き留めようとしていたが、花純は知り合いを見つけた振りをしながら人混みに紛れて式場を後にした。
時刻は午後六時半。
高梨と約束した時間まであと少しだった。
彼女は息を弾ませながら駅に向かい、私鉄に乗る。
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