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快楽の奴隷
第8章 抉じ開けられた禁悦
「バカ言うな。俺には寝取られ願望なんてない」
「もうっ……何ですぐにそういうエグい言い方するんですか? 普通に悪い虫が付いてないか心配だ、とか言えないんですか?」

海外のラブロマンス小説も好んで読む花純は、それらの小説で綴られているような甘い言葉を期待してしまう。
実際に高梨はそういったラブロマンスの男役のような、優雅でいながら肉食的な男だけに余計期待してしまう。

「悪い虫? それは俺だろう?」
「高梨さんは悪い虫なんかじゃないですよ」

花純は彼の唇にチュッと可愛らしい音を立てたキスをする。

「極悪な鷹です……」

虫なんていう卑小なものなんかじゃない。
嘴と爪で肉を引き裂く獰猛な猛禽類。
私は自ら好んでその身を贄とさせるためにやって来る小鳥。

花純は顔を彼の胸に押し付けて、その雄々しい芳香を胸一杯吸い込んだ。

「酷い言われようだな」

愉快そうに笑い、わざと荒々しく彼女の髪に指を入れ、ざらざらと頭皮を撫でる。
その指遣いだけで、花純は奥から潤いが満ちてきてしまった。
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