パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第9章 約束

そして花純は決意する。
高梨との訣別を----

夢を見る時間は終わった。
高梨との関係を断ち切って元の平凡な毎日に戻る。
それでいい。

----いい思いだけして面倒になったら逃げ出すの？


もう一人の自分がそう言って花純の心を責める。
心の中で幾つもの葛藤が、醜く自分の中で言い争う。
自分のことだけに隠すことも出来ず、心を抉るような自問自答を繰返してしまう。
そんな揺らぐ心の中で、母の顔が浮かんだ。
悲しげで、それでも自分を信じてくれたあの顔を。

弱いのは高梨さんから逃げることじゃない。
高梨さんを失うことを恐れ、流されることが弱さなんだ。

一晩かけて悩んだ彼女は、その答えに辿り着いていた。