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快楽の奴隷
第9章 約束
『決意が揺らぐ前に伝えよう……』
花純は会社を休み、高梨に会うことに決めた。
自由業で不規則な生活をしている高梨は昼近くまで寝ていることもある。朝一番で押し掛けたらその眠りを妨げる可能性があった。
最期の時まで気を回し、昼前まで時間を潰してから高梨の家に向かう。
予め連絡をしようかと迷ったが、結局はなんの連絡もせずにやって来ていた。
チャイムを鳴らすといつも通り執事の曽根が彼女を出迎える。
これから別れを告げると思うと悲しさがこみ上げた。その揺らぎを殺すように彼女は下唇を小さく噛む。
しかしリビングに通されると、間が悪く先客が来ていた。
「あーっ? なんで沼田さんが来るンスか? 今日はボクのターンだったのにっ!」
相変わらず美しい顔を惜しげもなく歪めた森崎は、遠慮なく不満をぶつける。
「なんだ、花純、急にやって来て? セックスがしたくて会社を早退したのか?」
「違いますっ」
いつものペースに捲き込まれまいと、花純は気を引き締める。
「沼田さんはいつも先生とイチャコラしてるんですから今日は自重しるっ!」
「お前は原稿を取りに来ただけだろ? てかそんなもん宅急便で送るからわざわざ来るな」
花純は会社を休み、高梨に会うことに決めた。
自由業で不規則な生活をしている高梨は昼近くまで寝ていることもある。朝一番で押し掛けたらその眠りを妨げる可能性があった。
最期の時まで気を回し、昼前まで時間を潰してから高梨の家に向かう。
予め連絡をしようかと迷ったが、結局はなんの連絡もせずにやって来ていた。
チャイムを鳴らすといつも通り執事の曽根が彼女を出迎える。
これから別れを告げると思うと悲しさがこみ上げた。その揺らぎを殺すように彼女は下唇を小さく噛む。
しかしリビングに通されると、間が悪く先客が来ていた。
「あーっ? なんで沼田さんが来るンスか? 今日はボクのターンだったのにっ!」
相変わらず美しい顔を惜しげもなく歪めた森崎は、遠慮なく不満をぶつける。
「なんだ、花純、急にやって来て? セックスがしたくて会社を早退したのか?」
「違いますっ」
いつものペースに捲き込まれまいと、花純は気を引き締める。
「沼田さんはいつも先生とイチャコラしてるんですから今日は自重しるっ!」
「お前は原稿を取りに来ただけだろ? てかそんなもん宅急便で送るからわざわざ来るな」