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快楽の奴隷
第9章 約束
「そうですね。小説の話をしている時の高梨さんは生き生きしてますもんね」
「はい。ご主人様の生きる原動力と言っても過言はありません」

そう語る彼も嬉しそうだった。尽くすことが生きる原動力であるかのように。

「生きる原動力……まさにそんな感じですよねー」
「はい。ご存じの通りご主人様はお金に苦労はしてません。あのお方が書かれるのはほとんど衝動なんだと思います。とにかく全てを文字に変えて表現したいという衝動です」
「なるほど……」

いつも高梨のそばにいる彼らしい鋭い見解に花純も大きく頷いた。

「その意欲を更に掻き立てて下さる沼田様にも本当に感謝しております」
「いえっ……そんなっ……こちらこそ高梨さんに可愛がってもらって……」

頭を下げる曽根に花純は慌てて頭を下げ返す。
別れを告げに来たのに言い辛い状況になってしまう。

その時応接室のドアが開いた。

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