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快楽の奴隷
第9章 約束
車は高速道路に乗り、遠方の水族館に到着した。
平日ということもあり空いていたので、大きな水槽もほぼ貸し切り状態だった。
高梨はかつて水族館を舞台にした官能小説を書いたこともあり、その際に取材した知識を披露して花純を楽しませた。
のんびりと館内を回ったあとは車で移動し、海沿いのレストランで早めの夕食を摂った。
新鮮なシーフードが自慢のその店は花純の舌と心を大いに満足させた。
運転があるからお酒が飲めないことを悔しそうにする高梨に、花純はふざけて見せびらかすように白ワインを飲んで見せる。
こうして過ごしていると未来が見えなくて悩んでいたことが嘘のように思えてくる。
どこにでもいる普通のカップルと何も違わない。
花純はそんな風にさえ感じた。
『けれど、違う……高梨さんが幻野イルマじゃなければ、よかったのに……』
憧れの作家を初めて、憎んでしまう。
レストランを出た時には周囲は既に薄暗闇が辺りを覆っていた。
日が沈んだ後の海の水面は、静寂を保って緩やかに揺れている。
平日ということもあり空いていたので、大きな水槽もほぼ貸し切り状態だった。
高梨はかつて水族館を舞台にした官能小説を書いたこともあり、その際に取材した知識を披露して花純を楽しませた。
のんびりと館内を回ったあとは車で移動し、海沿いのレストランで早めの夕食を摂った。
新鮮なシーフードが自慢のその店は花純の舌と心を大いに満足させた。
運転があるからお酒が飲めないことを悔しそうにする高梨に、花純はふざけて見せびらかすように白ワインを飲んで見せる。
こうして過ごしていると未来が見えなくて悩んでいたことが嘘のように思えてくる。
どこにでもいる普通のカップルと何も違わない。
花純はそんな風にさえ感じた。
『けれど、違う……高梨さんが幻野イルマじゃなければ、よかったのに……』
憧れの作家を初めて、憎んでしまう。
レストランを出た時には周囲は既に薄暗闇が辺りを覆っていた。
日が沈んだ後の海の水面は、静寂を保って緩やかに揺れている。