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第9章 約束

「中に入ってみる？」
「いいんですか？」
「ああ。分譲マンションなんだけど、最近売りに出てね。変な人間に入られても困るから俺が直接管理している」

車を駐車場に停め、二人はマンション内へと向かう。
花純のために用意した部屋は七階にあった。
内装は外観のシックな造りに見劣りしない立派なものであった。
壁にはぐるりと腰板が施され、床も腰板と同じウォールナットの濃茶のフローリング。
広々としたリビングと贅沢に設計された高い天井が魅力的だった。

「わぁ……」

花純は喜びより驚きが先立ち、言葉を失ってその室内を見て立ち尽くす。
キッチンは使いやすそうなアイランドキッチンで、バーカウンターもついていた。
浴室を覗くとバブリング機能のついた最新鋭の設備が備え付けられていた。

見た目には趣のある洋館のようなシックな造りで、キッチンや浴室などは便利さを優先させた機能的なものを揃えている。