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快楽の奴隷
第9章 約束
普通のOLが住む部屋ではなかった。
そして花純を一番喜ばせたのは窓からの眺望だった。

「すごぉい……」

高台にあるため、街が一望できる。
美しい夜景に花純はため息さえ洩らしていた。

「気に入ってくれた?」

ベランダで惚けている花純の肩を抱き、その耳許で高梨は囁いた。

「駄目ですって……これは買ったら一億じゃ利かないですもん……」

独り暮らしに3LDKは無駄にもほどがあった。

「ここは俺の書斎兼花純の家だ……気にするな」
「でも……」

戸惑いながら振り返るとその唇を高梨に吸われた。
不意討ちのキスに花純は心をとろんと溶かされる。

「俺が、そうしたいんだ……花純と、一緒にいたいんだ……」
「嬉しいけど……でも……」

こんな家に住むなんて親にどう説明すればいいのか分からなかった。
全てを説明すればどうしてこんな部屋に住めるのか理解はするだろうけど、納得をするはずがない。
とは言え転居先も教えずに引っ越しも出来ない。

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