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快楽の奴隷
第12章 『嗤う人形』
「今日はお父さんもお母さんも居ないから私がしてあげたの!!」

高梨の謝り方が子供をあやすようだったのが気に入らなくて、宏世の怒りは収まらなかった。
『このくらいの年の子は背伸びがしたいんだな』
自分のそんな頃を思い出し、口許を緩める。


お茶を飲みながら二人は、正月気分の抜けきっていないようなだらけたテレビ番組を眺めていた。
高梨は特に何かをするためにこの家に来たわけではない。
ただ成人式の後の同級生たちのバカ騒ぎに加わらない為の口実で訪れただけだった。
成人になった祝いの日に子供のようなノリではしゃぐ風習は、彼には理解しがたいものがあった。

「テレビ、つまんないね……」

そう言いながら宏世は高梨の脚の間にすっぽりと埋まるように座る。

「なんだ、宏世。子供扱いしないでとかいいながら、子供みたいなことして」

女の扱いは少し覚えてきたが、思春期に入りたての女の子の扱いなどまるで心得ていない高梨はそうからかった。
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