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快楽の奴隷
第13章 ミューズ
唇を合わせた瞬間、彼の脳に白い電流が走った。

中学を卒業したばかりの、ましてや血縁の唇は高梨に罪の意識を伴う快楽を与える。
既に女など飽きるほど抱いていた彼が、味わったことのない強烈な刺激だった。

高梨は夢中で彼女の唇を割り舌を捩じ込むと、夢中で従妹の舌を求めた。

宏世は目眩を覚えるほどの大人のキスに力が抜け、身を預ける。
制服に合わせて持っていた鞄を落とし、頼りなく高梨に寄り掛かる。

窓の外では今年も桜の花を散らす、嫉妬深そうな暗い雨雲が空を覆っていた。
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