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快楽の奴隷
第13章 ミューズ
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高梨の祖父が他界したのは彼が二十五歳の時だった。
ちょうど従妹の宏世と一線を越えてしまってから一年経過した頃であった。
葬儀は祖父の家で執り行われた。
地元の有力な資産家であった祖父の葬儀は盛大に行われ、親族以外にも沢山の弔問客が訪れた。
「こっちだよ」
宏世は笑いながら高梨の手を引き、二階の奥の部屋へと向かう。
「どこ行くんだよ。葬式の最中だぞ?」
「大丈夫だよ。お坊さんはもう帰ったし、あとは大人が集まって無駄な会話をするだけでしょ?」
その部屋は普段使われることはない客間だった。
「ほら、ここ」と言って宏世は押し入れの襖を開ける。
防腐剤の籠った香りがするが、手入れが行き届いているからか埃やすえた臭いなどはなかった。
普段そこには座布団がたくさんあるが、葬式で使用しているために大きくスペースが空いていた。
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高梨の祖父が他界したのは彼が二十五歳の時だった。
ちょうど従妹の宏世と一線を越えてしまってから一年経過した頃であった。
葬儀は祖父の家で執り行われた。
地元の有力な資産家であった祖父の葬儀は盛大に行われ、親族以外にも沢山の弔問客が訪れた。
「こっちだよ」
宏世は笑いながら高梨の手を引き、二階の奥の部屋へと向かう。
「どこ行くんだよ。葬式の最中だぞ?」
「大丈夫だよ。お坊さんはもう帰ったし、あとは大人が集まって無駄な会話をするだけでしょ?」
その部屋は普段使われることはない客間だった。
「ほら、ここ」と言って宏世は押し入れの襖を開ける。
防腐剤の籠った香りがするが、手入れが行き届いているからか埃やすえた臭いなどはなかった。
普段そこには座布団がたくさんあるが、葬式で使用しているために大きくスペースが空いていた。