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快楽の奴隷
第14章 下卑た文学
『湖畔を抜けて森の中へ』が発売されて一ヶ月。
本屋から姿を消すほどの人気を博していた。
きっかけは本を紹介するテレビ番組だった。
さして視聴率が高いわけではないマイナーな番組ながら、本好きの間では評判の番組である。
昨今の女性向け官能小説ブームの特集で高梨の新作『湖畔を抜けて森の中へ』が紹介された。
そこから火が付き、ネットなどでも話題となった。
その結果、官能小説としては初版が多かったものの、売れ行きは出版社の予想を遥かに上回ってしまうこととなる。
全国の書店では売り切れが続出し、急いで増版されることとなっていた。
本屋に貼られた『湖畔を抜けて森の中へは只今品切です』という張り紙を見て花純は嬉しくなる。
しかし急遽作られたポスターを見た途端、血の気が引いた。
それは立山の描いた花純のヌード画を拡大したものだった。
思わず剥がして丸めて捨てたくなる衝動にさえ駈られてしまう。
本屋から姿を消すほどの人気を博していた。
きっかけは本を紹介するテレビ番組だった。
さして視聴率が高いわけではないマイナーな番組ながら、本好きの間では評判の番組である。
昨今の女性向け官能小説ブームの特集で高梨の新作『湖畔を抜けて森の中へ』が紹介された。
そこから火が付き、ネットなどでも話題となった。
その結果、官能小説としては初版が多かったものの、売れ行きは出版社の予想を遥かに上回ってしまうこととなる。
全国の書店では売り切れが続出し、急いで増版されることとなっていた。
本屋に貼られた『湖畔を抜けて森の中へは只今品切です』という張り紙を見て花純は嬉しくなる。
しかし急遽作られたポスターを見た途端、血の気が引いた。
それは立山の描いた花純のヌード画を拡大したものだった。
思わず剥がして丸めて捨てたくなる衝動にさえ駈られてしまう。