パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 求めすぎる心

結末がいいとか悪いとか、そういう問題じゃない。
どこか綺麗に纏めようとしている気がしてならなかった。
理由も根拠もない。
しかしこの結末には作者である高梨の願望と悲哀を感じずにはいられなかった。
一般的に見ればハッピーエンドなんかではない。
けれども彼なりのロマンスを切な気に綴っているように思えてならなかった。

----嗤う人形

恐らく高梨が創作の世界に踏み込む大きな要因となったこの出来事を無視して通れない。

夜中であるにも関わらず、彼女は高梨に会って確かめずにはいられなかった。

手早く普段着に着替え、高梨の家へと向かう。
自然と歩く速度は上がっていた。
心臓は不安で締め付けられる。
元々緊張しやすい彼女は目眩がしそうなのを気力で堪えて歩く。

家の前に着いた花純は大きく呼吸をし、意を決してインターフォンを押していた。