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快楽の奴隷
第16章 応えすぎる心
彼女の言葉に含まれてる皮肉を嗅ぎ分けられないほど、高梨も鈍くはない。
「俺は心境なんかで作品を書いていない」
「でも突然官能小説以外のものを書くなんて……」
「変態編集者の森崎辺りになにか言われたのか?」
高梨は箸を置き、不快を隠さない表情をした。
「高梨さんは官能小説しか書いてこなかったじゃないですか」
「たまには他のものも書きたくなるさ、俺だってな」
無理に理由を作る高梨を見て、花純は胸が苦しくなる。
「無理をしているわけじゃない……花純に対して抱いている気持ちを文字にするとそれしか書けないと言うのが正直なところだ」
ため息をつきながら高梨が答えた。
「私に対する気持ち……?」
「ああ。俺は書きたいものしか書かない。今までは性の追求しか、俺の興味はなかった。けど」
高梨は右手を伸ばし、花純の顔の輪郭を撫でながら耳にかかった髪を掬い上げて耳の後ろへと流す。
「今は違う。花純と心から溶け合いたい」
「俺は心境なんかで作品を書いていない」
「でも突然官能小説以外のものを書くなんて……」
「変態編集者の森崎辺りになにか言われたのか?」
高梨は箸を置き、不快を隠さない表情をした。
「高梨さんは官能小説しか書いてこなかったじゃないですか」
「たまには他のものも書きたくなるさ、俺だってな」
無理に理由を作る高梨を見て、花純は胸が苦しくなる。
「無理をしているわけじゃない……花純に対して抱いている気持ちを文字にするとそれしか書けないと言うのが正直なところだ」
ため息をつきながら高梨が答えた。
「私に対する気持ち……?」
「ああ。俺は書きたいものしか書かない。今までは性の追求しか、俺の興味はなかった。けど」
高梨は右手を伸ばし、花純の顔の輪郭を撫でながら耳にかかった髪を掬い上げて耳の後ろへと流す。
「今は違う。花純と心から溶け合いたい」