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快楽の奴隷
第18章 なくして、得るもの
遠く離れた場所で、息を潜めて、彼女は高梨の新作を待ち焦がれていた。
そしてそれが官能小説であることも望んでいた。
恋人を突然失った苦しみが高梨の中でどう影響し、どんな作品を産み出す力になるのか不安だった。
『もしこれで高梨が逆に書けなくなってしまったら……』
そう思うと頭が変になりそうになる。
心が引き裂かれる想いで選んだ決断を、間違いだったとは思いたくなかった。
「高梨さん……」
彼の住む方角の夜空に視線を向ける。
秋の終わりが近付き、冷たい風が彼女の全身を撫でるように吹き抜けていった。
そしてそれが官能小説であることも望んでいた。
恋人を突然失った苦しみが高梨の中でどう影響し、どんな作品を産み出す力になるのか不安だった。
『もしこれで高梨が逆に書けなくなってしまったら……』
そう思うと頭が変になりそうになる。
心が引き裂かれる想いで選んだ決断を、間違いだったとは思いたくなかった。
「高梨さん……」
彼の住む方角の夜空に視線を向ける。
秋の終わりが近付き、冷たい風が彼女の全身を撫でるように吹き抜けていった。