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快楽の奴隷
第18章 なくして、得るもの
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クリスマスイブは店が戦場のようになると言われていたが、それはいささか謙虚な表現だった。
「ありがとうございました!!」
最後の客を見送った瞬間にその場に倒れそうになる。
戦場なんて言葉では足りない。
これは地獄絵図だった。
「あー、お疲れ様!! 沼田さんが居てくれて助かったよ」
オーナーシェフの労いの言葉に愛想笑いを打つ余裕すらなかった。
しかしお陰で余計なことを考えずに済み、感謝もしていた。
国民全員が浮き足立つような、何故かワクワクしてそわそわとした気分にさせられる年の瀬。
彼女は身を粉にして働くことで頭の中を空っぽにしようとしていた。
「お疲れ様です」
帽子に汗を染み込ませた城も、フラフラになっていた。
戦いを共にしたような親近感が湧き、花純の顔にもようやく笑顔が出る。
「あとは俺が片付けておくから二人は上がっていいよ。イブなんだしさ」
シェフは含み笑いを浮かべてそう言った。
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クリスマスイブは店が戦場のようになると言われていたが、それはいささか謙虚な表現だった。
「ありがとうございました!!」
最後の客を見送った瞬間にその場に倒れそうになる。
戦場なんて言葉では足りない。
これは地獄絵図だった。
「あー、お疲れ様!! 沼田さんが居てくれて助かったよ」
オーナーシェフの労いの言葉に愛想笑いを打つ余裕すらなかった。
しかしお陰で余計なことを考えずに済み、感謝もしていた。
国民全員が浮き足立つような、何故かワクワクしてそわそわとした気分にさせられる年の瀬。
彼女は身を粉にして働くことで頭の中を空っぽにしようとしていた。
「お疲れ様です」
帽子に汗を染み込ませた城も、フラフラになっていた。
戦いを共にしたような親近感が湧き、花純の顔にもようやく笑顔が出る。
「あとは俺が片付けておくから二人は上がっていいよ。イブなんだしさ」
シェフは含み笑いを浮かべてそう言った。