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快楽の奴隷
第18章 なくして、得るもの
「あのっ……!!」

逃げる花純の背中を城の不器用な声が追い掛けた。
花純は銃で撃たれたように背中を震わせる。そのまま肩を竦め、目を閉じた彼女は振り返ることさえ出来なかった。
どう見ても好機はない状況であったが、真っ直ぐな彼は止まることが出来なかった。

「俺、沼田さんが……好きです……」

放たれた言葉は取り消すことが出来ない。言った側も、言われた側も。
静かな住宅街では聞こえなかった振りをすることも出来なかった。

「ありがとうございます……けど」

覚悟を決めて花純が振り返る。

「ごめんなさい……私は……好きな人が、います……」
「そう……なんですか……」

振り返って見る彼の顔は緊張と悲しさが貼りつけたまま、冬の冷気で固まっているようだった。
料理しか知らない男は感情の高ぶりや、すれ違いの気まずさを軟着陸させる器用な言葉を知らない。
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