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快楽の奴隷
第18章 なくして、得るもの
「本当に……ごめんなさい……」
「いいよ。俺、待ってるから……」
「待つって……ごめんなさい。多分この気持ちは変わらないと思う……」
「沼田さんのことを好きでいるのは俺の自由だから、さ……」

真っ直ぐな彼の心が苦しいほど眩しかった。
愛するから離れた歪な愛が罪のように思えてしまう。

「ごめんね。こんなこと言っちゃったけど、明日からも普通にしててね。じゃあ!! メリークリスマス!!」

片手をあげ、無理に笑った城は走り去っていく。

「ごめんなさい……私は……」

消え行く彼の背中を見詰め漏らした息は、白さの中に憂鬱を孕んでいた。
愛しても、実らせても、幸せになれない恋。
しかしそれは自分の選んだ道。

花純は心の中に高梨を浮かべ、しがみつくように想いを募らせていた。
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