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快楽の奴隷
第4章 禁忌の絶頂
しかし脳はそれを否定する。
高梨とこれ以上関わりを持つことに拒絶を示していた。



翌日はもちろん通常通り仕事へ向かった。
「もう風邪の具合は大丈夫なの?」と問い掛ける課長に「ご迷惑をお掛けしました。もう大丈夫です」と平然と返す。
多少言葉にぎこちなさがあっても、普段から素行のいい彼女を疑うものなどいなかった。

「沼田さん病み上がりなんだから無理しないでね」

定時を過ぎると同僚が声をかけてくる。
彼が好意を寄せてくれていることに花純も気付いていた。
しかしいかにも誠実そうな彼は、ベッドの上でもその誠実さを貫きそうで、花純はわざと距離をおいて接している。

「ありがとうございます。けど昨日休んだせいで仕事が溜まってるから」

当たり障りのない返しであしらう。
誠実であることは大切なことだが、肌を重ねる時は野蛮であることも大切だということを彼女は学んでしまっていた。
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