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快楽の奴隷
第4章 禁忌の絶頂
「さすがに脱げと言われてすぐには脱げないか……」

固まる花純に高梨が苦笑いを浮かべる。

「俺の小説の登場人物じゃあるまいしな」

作家は立ち上がって本棚の前に立つ。
よく見ればそこは幻野イルマの作品がすべて並んでいることに花純は気が付く。

「俺の書いてきた作品だ……どれを読んだことがある?」
「……全部です」
「全部? はは。それは凄いな……そう言えば俺が喜ぶとでも?」
「本当です」

花純も立ち上がって本棚の前に行く。

「全て拝読させて貰いました……正直、そんな大ファンの先生とお会いできるなんて……夢のようです」
「確かに……出来すぎた話だな……けど偶然だと思うか?」

含みのある言い方をされ、花純は思わず「あっ」と声をあげた。

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