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快楽の奴隷
第4章 禁忌の絶頂
「まあ、俺みたいに暇潰しで小説書いてる人間でもな、新刊の発売日というものは気になるもんなんだよ……」
発売初日に自らの書籍の売れ行きが気になって高梨は書店に出向いていた。そこにやって来た自分が彼の新刊を買うところを見ていたとしたら……
つまりあの出逢いは、偶然ではなかった。
花純はその事実に今さら気付いた。
「けどまあ、さすがに全て読んでるヘビーユーザーだとは知らなかったよ。というより官能小説にそんなコアなファンがいたこと自体驚きだ」
「いますよっ!! きっと私以外にも……先生の作品はどれも最高に美しくて、妖しくて……刺激的ですから」
花純は思わず力を籠めていた。
「そうか? 最近はさほど人気もない。近頃の女性読者は刺激的な官能描写よりもロマンチックな展開を望むそうだからな。胸キュン、だそうだ。金持ちの色男が、なんら根拠もなしに一方的になんの取り柄もない平凡なヒロインを狂うほど愛し、ヒロインが勿体ぶるように戸惑ってセックスする話で胸がキュンとするらしい」
高梨は少し複雑な笑いを浮かべる。
その唇の歪みに花純は胸が締め付けられた。
発売初日に自らの書籍の売れ行きが気になって高梨は書店に出向いていた。そこにやって来た自分が彼の新刊を買うところを見ていたとしたら……
つまりあの出逢いは、偶然ではなかった。
花純はその事実に今さら気付いた。
「けどまあ、さすがに全て読んでるヘビーユーザーだとは知らなかったよ。というより官能小説にそんなコアなファンがいたこと自体驚きだ」
「いますよっ!! きっと私以外にも……先生の作品はどれも最高に美しくて、妖しくて……刺激的ですから」
花純は思わず力を籠めていた。
「そうか? 最近はさほど人気もない。近頃の女性読者は刺激的な官能描写よりもロマンチックな展開を望むそうだからな。胸キュン、だそうだ。金持ちの色男が、なんら根拠もなしに一方的になんの取り柄もない平凡なヒロインを狂うほど愛し、ヒロインが勿体ぶるように戸惑ってセックスする話で胸がキュンとするらしい」
高梨は少し複雑な笑いを浮かべる。
その唇の歪みに花純は胸が締め付けられた。