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快楽の奴隷
第5章 二人責め
テーブルの上には赤ワインにオレンジと桃を浮かべたサングリアが置かれてある。
氷を入れたグラスを置いた執事がその中へとそれを注ぐ。
微かな飛沫がたち、爽やかなフルーツの香りと芳醇なワインの香り、そしてほのかにシナモンの香りが漂った。

「あっ……すいません……」

頭を下げる花純に執事は小さく頭を下げ返し、グラスを彼女の前に置く。

「喉が乾いてるだろう? 早く抱かれたくて急ぎ足で来たんじゃないのか?」
「ちょっ……ちょっとっ!!」

サングリアを口にふくむ前だったので噴き出すことは回避できた。
花純は伏し目がちに執事の様子を伺ってしまう。
その視線で彼女が何を言いたいのか、高梨も理解する。

「はは。気にするな。今日はそいつもお前の相手をしてやるんだから」
「えっ……」
「三人でするんだ。まさかセックスは定員二人のものだと思っていたのか?」

わざと驚いた振りをして花純を馬鹿にする。
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