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快楽の奴隷
第6章 ロマンスの書き方
「作家の製作秘話なんてそんなもんだ……自分の嫌いなタイプの女のことを書けばロマンチックになるんだと曲解した俺は次のプロットも編集者に送ったんだ。弁当屋でパート働きしている女の話だ。新人をイビることを生き甲斐にしている、40手前の底意地の悪い女の話。バイトの大学生の男を脅しながら関係を持つって話だったんだが、編集の奴に速攻で却下された。これはロマンスではない、と」
どこまで本当の話かわからない高梨の製作秘話を「もう結構です」と花純が遮った。
しばらく海岸線を走ると海沿いに道の駅があった。
この時間だと店も閉まっており自販機とトイレしか利用できないが、昼間の時間だとテラスで海産物のバーベキューも出来る大型の道の駅だった。
その駐車場に車を停め、防波堤の壁に腰掛けると目の前には海と夜空だけの視界が広がった。
全体が黒で覆われたような景色だが、仄暗い月明かりで宙と海の境目ははっきりと分かる。
どこまで本当の話かわからない高梨の製作秘話を「もう結構です」と花純が遮った。
しばらく海岸線を走ると海沿いに道の駅があった。
この時間だと店も閉まっており自販機とトイレしか利用できないが、昼間の時間だとテラスで海産物のバーベキューも出来る大型の道の駅だった。
その駐車場に車を停め、防波堤の壁に腰掛けると目の前には海と夜空だけの視界が広がった。
全体が黒で覆われたような景色だが、仄暗い月明かりで宙と海の境目ははっきりと分かる。