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快楽の奴隷
第6章 ロマンスの書き方
苦笑いを浮かべて高梨も駐車場に飛び降りる。

「モヤモヤしちゃいましたか?」
「ガキの癖に生意気言うな」

高梨はポケットからキーを出して車のロックを解除する。

「このモヤモヤ感を文章にしてくださいね。きっとロマンチックになります」
「偉そうに知った口を利きやがって……」

少し苛ついた声を出す高梨が可愛くて、花純の胸は弾むように疼いた。
ドアを開け、花純は助手席に乗るが、高梨は後部座席から鞄を取り出して道の駅へと戻っていってしまう。
車の中で襲われることも少し期待していた彼女は、戸惑いながらそのあとをついていく。

「あー来るな……向こうで待ってろ」

邪険に手を払うと高梨は鞄からパソコンを取り出し、テーブルの上で小説を書きはじめてしまった。

「あ、はい……」

このままここで書くんだ。
少し嬉しくなった花純は、邪魔にならないように慌てて離れたところまで移動して高梨の背中を見ていた。
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