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小さい巨人
第1章 ベビーシッター
いつも通りの土曜日。
京子は家事を済ませようと家とバタバタしていた。

ピンポーン

玄関のチャイムがなる。

(こんな忙しい時に誰かしら)
と考えつつも優しい声を出し、玄関まで向かった。

玄関を開けると、お隣さんのアレックスがいた。
アレックスは英語教室を経営しており、
数ヶ月程前に近所に引っ越して来たばかりだ。
外国人と言えど、語学教室を開業しているだけあり、
日本語も堪能だ。

「京子さんお久しぶりデス。実は私のフレンドが結婚することになったんだケド、式場が遠い所にあるカラ、3日くらいマイボーイのトニーを預かって貰えまセンカ?ベビーシッターが突然キャンセルしてきて困ったてマス」

突然の依頼で京子は何も言えなかった。
しかし、アレックスの妻は既に他界しており、
男手一つで息子を育てているという話を聞いており
何より、元から世話好きな京子は、

(このままじゃトニー君が可哀相ね…よしっ)
と思い、

「アレックスさん、しょうがないわね。今回は大目に見てあげるけど、次は前もって教えて下さいね」

と笑いながらアレックスに伝えると、
アレックスは大喜びし、息子のトニーを京子に紹介した。

アレックスとは道でよく話したり、
適度な近所付き合いをしているが、
息子のトニーと話をするのは今日が初めてである。

トニーの身長は140cm程で、
普通の小学生より少し大きいといった感じだ。

「ゴメンね京子おばちゃん。パパ勝手だからみんなに迷惑かけちゃうんだ。」
トニーは笑いながらそう言うが、
どことなく申し訳無さそうにしていた。

「こんな所で立たせていたら可愛そうだから、とりあえず中に入りましょうか」
と言いトニーを家の中へと招待した。

夕飯の支度をしていると、夫の誠から電話が入る。
どうやら今夜は接待で遅くなるようだ。

(全くいつも飲み歩いて何が楽しいのかしら)
とふてくされるが、トニーも居ることもあり、
寂しくなりそうにはない。

トニーと二人きりの夕食をしていると、
京子はトニーに色々な話を聞いた。
アメリカでの生活、日本の生活には慣れたのか、
などと面倒くさいおばさんのように質問責めをしていた。
そんなことを面倒くさいとも思わず、
トニーは全ての問いかけに明るく答えていた。

そんな時、トニーの一言に京子は心を打たれた。
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