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愛玩男奴 お兄ちゃん
第1章 男奴の館
私たちは二人だけになった。
パパの発表した研究が嘘だったって、新聞やテレビが騒ぎ立てて、当たり前だと思っていた日常はある日突然消えてなくなってしまった。
ママも、お兄ちゃんも、私も、人目を避けるために家から一歩も出られなくなってしまった。玄関を少しでも出れば、待ち構えている報道陣がカメラとマイクをナイフのように私たちに突き立てる。
「誤解が解けるまでの辛抱だよ。苦労を掛けて、ごめんな」
そう言って、毎日そのナイフの群れの中に出かけて行くパパ。
でも、誤解が解けるより早く、パパは自殺してしまった。私たちを残して。
ショックでママは心の病気になった。もう、私のことも、お兄ちゃんのこともわからなくなってしまったみたい。入院した病院のベッドでどこだかわからない遠い所を見つめてばかりいる。
あれだけ詰めかけていたマスコミの人たちは、嘘のようにいなくなった。新聞もテレビもネットも、もう私たちのことは忘れてしまったように、話題にしなくなった。
そして、お兄ちゃんと私は二人だけになった。
パパの発表した研究が嘘だったって、新聞やテレビが騒ぎ立てて、当たり前だと思っていた日常はある日突然消えてなくなってしまった。
ママも、お兄ちゃんも、私も、人目を避けるために家から一歩も出られなくなってしまった。玄関を少しでも出れば、待ち構えている報道陣がカメラとマイクをナイフのように私たちに突き立てる。
「誤解が解けるまでの辛抱だよ。苦労を掛けて、ごめんな」
そう言って、毎日そのナイフの群れの中に出かけて行くパパ。
でも、誤解が解けるより早く、パパは自殺してしまった。私たちを残して。
ショックでママは心の病気になった。もう、私のことも、お兄ちゃんのこともわからなくなってしまったみたい。入院した病院のベッドでどこだかわからない遠い所を見つめてばかりいる。
あれだけ詰めかけていたマスコミの人たちは、嘘のようにいなくなった。新聞もテレビもネットも、もう私たちのことは忘れてしまったように、話題にしなくなった。
そして、お兄ちゃんと私は二人だけになった。