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愛玩男奴 お兄ちゃん
第3章 丈を調教なさい
「命令……」

「うん。ちゃんと命令するの……できるよね?」

 できません、とは言えない。だって、それをするのがお仕事なんだから。多分。

「で、できます……できると思います」

「ご主人様の言葉で言ってみて。そしたらボクも奴隷の言葉で応えるから」

 ご主人様の言葉って……。お手本が欲しい。でも、丈さんに言わせてばかりは嫌だった。自分でやれるようになりたかった。

「下も脱ぎなさい……」

 こういう言い方で良かったかな。

「腕が動かせないので脱げません。ご主人様の手で、どうかお脱がせ下さい」

 確かに、返って来たのは奴隷の言葉。でも、ええっ……私の手で?

「わ、わかりました……私が脱がせてあげます」

 自分でやれるようにならなきゃ。私は身動きの取れない丈さんに代って、その腰へと手を伸ばす。

 自分でもそのときどうしてそうしたのかはわからないけれど、ベルトの下の膨らみに触れた瞬間、思わずそれを握りしめてしまった。

「はくうっ……ああっ!」

 丈さんがひときわ大きく叫んで、体を波打たせる。その背中に突き飛ばされて私は尻餅をついてしまった。

「きゃあっ……」

「申し訳ございません、ご主人様……お怪我はありませんか?」

「大丈夫です! ごめんなさい、私がいきなり掴んだりしたから……」

 掴む。男の人のあの部分を……掴むだなんて。自分で自分が信じられない。どうしてそんなことをしてしまったのだろう。何て思われただろう。恥ずかしい! それでも丈さんはそのことについては何も言わず、目を伏せて謝罪を口にする。

「いいえ。私の不注意です。どうか罰をお与えください」

「ええっ……罰……?」

 悪いのは私なのに。それに、お尻をついてしまっただけなのに。

「はい。どうか私をその手で打って下さい」

 そんなこと……。でも、丈さんははだけた胸を差し出すようにして今かと待ち受けている。
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