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欲望お伽噺
第1章 不思議の国の迷い子
舌先で深くアリスの雌穴をえぐる。奥から溢れ出た熱いたぎりをすすり、鼻先でクリトリスを潰しながら奥を刺激する。
アリスの足先がピンと伸び、快感に集中しようと僅かに首を振っていた。

──イけ、イっちまえアリス

帽子屋が追い討ちをかけるように尻穴をつつきクリトリスを潰す。同じテンポで繰り返される刺激にアリスは酸素を求める獣よろしく低く唸って身体を痙攣させた。

「……!!!」

揺れる身体が大きくのけぞり、アリスは潮を吹いて果てる。帽子屋は吹き出した潮を飲み下し、それでも溢れ続けるしずるを手にとって陰茎に塗りたくった。

快感の余韻が残るアリスは苦しみのような戸惑いの表情を浮かべている。絶頂に心が浮き上がったまま、たったひとり快感の波に漂っている。

{アリス、アリス}

帽子屋はアリスにゆっくりのしかかり、耳に唇を押し付けて優しく囁いた。
ぴったりと密着した素肌から温かな体温が伝わり、半覚醒状態のアリスの身体からふにゃりと力が抜ける。耳は赤く染まり、頬は恍惚に輝いている。
長い間人に抱き締められていないアリスは(本人に自覚がなくても)人の温もりにめっぽう弱い。

{アリス、愛してるよアリス}

羽毛のような低く優しい声音。
優しく乳房や尻をまさぐりながら帽子屋はアリスの唇をねぶり、甘噛みする。
最後に優しく抱き締められたのはいつだった?
誰かに抱かれながら眠った夜は?

アリスは虚ろな意識のまま涙を流し、愛に似た温もりに溺れた。抱き締め返したい、温もりをもっともっともっと味わいたい。欲望のままに。心のままに…。しかし体は動かず、そのもどかしさがぽっかりと空いた心の穴を空腹にする。

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