オーバーナイトケース
第2章 流れるだけ・・
金曜の夜に浩介の部屋で一夜を過ごし、
翌日の朝早く、そう、だいたい7時くらいに一緒に部屋を出て
東京駅へ向かう。
そこで彼を見送り、出勤する時もあれば
いったん自宅に戻り午後の勤務まで一休みする。
そんな生活が、恋愛が、1年近い月日を重ねていた。
最初からわかっていただろう?
彼には奥さんがいる、子供がいる。
2人を捨てて私と一緒になるつもりはない。だけど・・
わかっていたけど・・
彼が伸ばしてきた手を掴んでしまったのは
一人でいることへの寂しさから。