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オーバーナイトケース
第4章 運命に導かれ・・
「さぁ、今夜はどのシャツを借りようかなぁ」
チェストの引き出しをあけて、一番上のシャツを手に取る私に雅也は笑いながら言った。
「そろそろ自分の部屋着をここへ置いたら?」
「え・・?」
「オーバーナイトケースに入りきらないものはここに置いておけばいいんだよ」
一緒に暮らすまでの間はね・・
そう言いながら、声を詰まらせる私の手から雅也はシャツを取り上げた。
そして耳元で囁く。
「着なくてもいいでしょ?今からたっぷり愛し合うんだから・・」
涙を溢れさせながら笑う私を、雅也の細い胸が包む。
包まれたまま足をもつれさせながらベッドに横たわる時、
かたわらに置いてあったバッグが床に落ちた。
その中から見覚えのない小箱がこぼれ落ちたのに気付いたのは、
夜が明け眩しい陽射しが部屋に差し込んできてからだった。
あけた箱の中からも、眩しい小さな光が放たれた。
その光は、雅也の手から私の左手の薬指に・・
はめられた・・・
end
チェストの引き出しをあけて、一番上のシャツを手に取る私に雅也は笑いながら言った。
「そろそろ自分の部屋着をここへ置いたら?」
「え・・?」
「オーバーナイトケースに入りきらないものはここに置いておけばいいんだよ」
一緒に暮らすまでの間はね・・
そう言いながら、声を詰まらせる私の手から雅也はシャツを取り上げた。
そして耳元で囁く。
「着なくてもいいでしょ?今からたっぷり愛し合うんだから・・」
涙を溢れさせながら笑う私を、雅也の細い胸が包む。
包まれたまま足をもつれさせながらベッドに横たわる時、
かたわらに置いてあったバッグが床に落ちた。
その中から見覚えのない小箱がこぼれ落ちたのに気付いたのは、
夜が明け眩しい陽射しが部屋に差し込んできてからだった。
あけた箱の中からも、眩しい小さな光が放たれた。
その光は、雅也の手から私の左手の薬指に・・
はめられた・・・
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