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その恋の行方は…
第1章 …暗黒のその時
本当はもっと強く抱きしめて、唇をふさぎ

得体のしれない辛い気持ちを全部吸い取ってやれるものなら、

吸い取ってやりたいと思った。


でも俺は、ほのかの友達ではあっても恋人ではない。

彼女にとって恋人は今でも眞人ただ一人なのだから……


あふれ出そうになるこの感情を俺は手の中で握りつぶす様に

ぐっと心の奥深くに押し殺した。

この手にすべての思いを込め、優しく撫で続ける。

ほのか、俺がそばにいるから大丈夫だと……


どれだけそのままにしていたのだろう?

ほのかの呼吸が規則的になって……

いつの間にか目を閉じて眠っていた。

泣きつかれたその姿が……

弱々しくて……

消えてしまいそうだった。


片手を握ったまま、初めて見るほのかの眠る姿を

俺はしばらくじっと見つめていた。

その姿は天使のように清らかだった。


いったい何があったんだ?

しばらくしてからほのかの心をのぞこうとしても、

そこは混乱しどす黒いものが絶えず渦巻いていて

胸が締め付けられるほど痛かった。

何かがわかるような状態ではない。

こんな感情に入り込むと俺まで巻き込まれてしまう……

まだ無理だ。

感情をまた遮断して、いら立つ。


どうしてこんなことになったんだ?
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