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揺れる恋 めぐる愛
第5章 光明と暗黒
「真帆、蓮先輩この頃どうしてるか知ってる?」

「いや。しらない」

「そうだよね。同じ職種でも職場が一緒ってわけじゃないし……

知ってるわけないよね?」

いつの間にか涙が再び沸いてきた。

せっかく引っ込んだのに……

私は目を大きく見開いてそれが零れるのを我慢した。


「あのね。先輩……

知らないうちに引っ越してた」

そこで、私は言葉を切った。


しばらくして、口を開く。

「この前紹介してくれたお店で先輩の誕生祝いに食事をした時、

プロポーズされた。それですぐに仕事を辞めて欲しいって言われて……」


「……お前なら断るんだろうな」

即答で私の行動を言い当てた私は、ただうなずく。

「その後1度、クリスマスに会いたいってメールがあって……

それきり。

そして今日胸騒ぎがして、どうしても気になって来てみたら……

もう影も形もなくなってた」

あの時なんでああしたんだろう。だからこんなことになった……

再び、みたび、車でぐるぐると考えていた後悔の気持ちが心の中に甦った。

唇を噛みしめ、あまりの情けなさに涙をぐっと飲み込む。


「無理するな。そんなうるんだ眼をして我慢してるなんておかしいぞ。

相手は私だ。泣きたいなら泣きな……」
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