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揺れる恋 めぐる愛
第5章 光明と暗黒
覚醒している間、決壊した涙腺は溢れ、止まり、また溢れた。


静かに涙を流していると……

眠たくもないのに、いつしか意識が落ちていく。


私はその日、三度ほどトイレに行っただけで、

真帆のベッドから出ようとはしなかった。

目覚めれば後悔と悲しみが心を支配し、負の感情のまま眠りに堕ちていく……

そんなことを何度か繰り返し、身も心もボロボロになって……

気が付いた時、いつの間にか真帆が隣に敷かれた布団で寝ていた。


そっと起き上がり、その顔をのぞきこんでみると……

静かで穏やかに見えた。

綺麗な真帆の寝顔を見るのがここに泊まった時の……

私の秘かな楽しみだった。


どうして私はここに残らなかったのだろう……

真帆だっていたのに……

この土地を離れ、遠くで就職したこと自体が

そもそもの間違いだったのかもしれない。

あの試験に合格していたら……

何もかも全てが……

運命が違っていたのかもしれない。


内定していた施設は

「来年受験して合格したらいいから」

と言ってくれたが、私自身がそれでは納得できなかった。

おそらく、流されてしまうような気がしてしまったから……

あの時全力を出し切っていて受からないなら、

何度受けても同じだと思ってしまい……

もう一度試験を受けようとはどうしてもその時思えなかった。
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