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揺れる恋 めぐる愛
第6章 宣告と告白
そして、こっちに引っ越し就職して1年。

さすがに、配属されてから半年過ぎれば気持ちは前向きにならなくても

怒られながらも毎日の日常業務はそれなりにこなせるようになった。


主任は……

この4月、係長になった。

辞令が発令されてから間もなく、

エントランスホールを足早に出かける主任を見た。

彼を見つめる女子社員の羨望の眼差しに吐き気がした。

異例の出世、周りに女の影がないことが彼女たちの何かに火を付けた。


私の主任に対する気持ちはイルミネーションを見に行った

あの夜明らかにもうひと段階違うものに……

変わった。

そして、主任を拒むことができなくなってしまった自分を……

自覚せざるおえなかった。


あの時主任は私に「覚悟しろ」と言った。

心の弱さを見透かされて、すかさず付け込んでくると思ったのに、

あれからも私の前に突然現れて連れまわすだけだった。

そして最初の時以来、深い関係を強引に求められるようなことは……

なかった。


そうされれば、身体が目的と思えるのに。

そうすれば、ただの悪い男だと憎んでしまえるのに……

主任は私に何を求めて、こんなことをしているのだろうか?

ますますわからなくなった。
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