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揺れる恋 めぐる愛
第6章 宣告と告白
先輩にとって、一度拒絶した私はもういらないのだろうか?

そして、主任はいったい私をどうしたいのだろうか?

色々なものがあやふやで、境目もわからなくて、

自分の気持ちがついて行かない。

何もかもが不安定で……

中途半端で……

心底自分の事が嫌だった。


梅雨が明けて夏が来ても、相変わらず私はそんなふうに思っていた。

それなのに主任はいつものように突然家に来て、

理由も告げないままいつもと同じように外に連れ出す。


今日車に乗って、突然連れ出されたのは……

外資系のホテル。

車を駐車し私の手を取るとエントランスをくぐり……

喫茶室へ向い、席に着く。

店員が「何になさいますか?」と尋ねてくると、

「俺はコーヒー。こっちは紅茶」

勝手に注文してしまった……


しばらくすると飲み物が運ばれてくる。

店員がいなくなったのを見計らって、彼は静かに話し始めた。

「藤木……

もういい加減ふっきれよ」

何を思ったのか、主任は突然そんなことを私に言いだした。

「なんのことですか?」

「……おとこ」

オブラートに包むことなく単刀直入だった。

でも今の私には、何も答えられない。

自分の気持ちの整理がついてない混乱した状態で、何か言えるわけがない。

それなのに無神経な言葉が追い打ちをかける。

「もういいだろう……

半年以上待った」
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