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揺れる恋 めぐる愛
第6章 宣告と告白
「あれは、確かに……

大切な人への贈り物だ。

だが、お前が思うようなものじゃない。

大切な……

大切な親友への誕生日祝いだ」

「それって誰なんですか?」

「大学時代の友人の彼女……」

「友人の彼女に?」

「その人に?なぜミモザの花を??」

私は笑いが止まらなくなる。あざけるような笑い声が木霊した。

「あなたなら、あの花の花言葉をわかって贈ってるんでしょ???

あの花は……

あの花には……」

それ以上言葉がでなかくなった。


そう、黄色の花ミモザアカシアの花言葉は、友情。

でももちろん彼なら知っているのだろう……

その花に込められた隠された想いを…

『秘密の愛、真実の愛、秘めた恋』


主任が単に友情で女にそんな花を贈るなんて思えなかった……

これはおそらく彼の横恋慕なのだろうと。


私は、今までどんな時も堪えていた涙が、こんな時に……

よりによってこんな時にとうとう零れ落ちてしまった。


「藤木……」

「私の心を何度えぐったら気が済むの?

私を何度いじめて陥れたら気が済むの?

あなたのどこが信じられるって言うの?

何を信じろって言うのよ?もうほっておいて!!!」

とうとう、私はそこがどこだかわかっているのに

それでも涙が止まらなくなり両手で顔を覆い

嗚咽をこらえながら泣き始めてしまった。
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