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揺れる恋 めぐる愛
第7章 執着と決別
先生が抱擁を少しだけ緩めて、目を見ながら首を傾げる。

それは「いい?」と聞いているようで、反射的にコクリと一つだけ頷いた。


これから起こることへの期待で胸が苦しくなる程鼓動が暴れる。

それと共に不安も増してきて目をギュッと閉じた。

「大事にする……」

そんな優しい言葉に心臓がドクンと飛び跳ねた。

荒い息が顔にかかると、それからゆっくり温もりが寄ってきて……

唇が重なる。

口腔内を再び丁寧に搔き回され、

先生が発する熱を直接口移しに伝えてくれた。

私も興奮で一気に顔が火照り、初めての感覚に身体中の力が抜けていく……

脱力して身体がバランスを崩しそうになると

タイミングよく腰に回された力強い腕に支えられ、よりお互いが密着した。

「大丈夫?」

薄目を開けると愛しい唇が目と鼻の先で私を気遣う言葉を紡ぐ。

まさかこんなに突然思いが叶うなんて……

込み上げる涙を、さっきみたいに誤解されたくなくて堪え頷いた。


先生は口角を上げ、満面の笑みを浮かべながら鼻先に口づける。

心臓がこれ以上ないほど早鐘を打ち続ける。

幸せ……

もうこのまま死んでもいいとさえ思った。


そのままの流れで愚かな私は、先生に何もかも捧げてしまう。

あの時はそれが必然だと思ったから……
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