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第7章 執着と決別

その悲しみを宿す瞳に囚われたまま、

私は徐々に徐々に躰を高められ欲望に火をつけられていった。


「いやあぁ～」

唇が首筋にむしゃぶりつきながら、ゆっくりと上着の腕を抜かれ、

衣服をはぎ取られる。

晒された肌が味わい尽くされる。

その躰から放たれる熱を肌で間近で感じながら、

ただ触れられることの悦びに溺れる。


「んっ、んっつ、はあぁあ～」

１０本の指が音を奏でるように躰の輪郭をなぞり、

声色の変わった部分を何度も違う角度で撫でさする。

その指先で奏でる甘い旋律に快感の震えが移り広がって、

自分が生きていることを感じさせられる。

両掌を何度もあちこちに這わせながら丁寧に……

執拗に……

躰をまさぐられる。

そんな愛撫を続けられると……

久々与えられた責め苦で躰が悦びに悶えた。


ざらっとした舌でベロリと大きくうなじをひと舐めされると、

思いもよらずガクンと大きく躰が一度跳ね、目を見開いた。


「ののか？」

大希さんが私を大切そうに抱きしめ耳元で囁く。

震えながらも……

言葉が出なくてただ首を縦に振り頷いた。

そんな私の瞳を覗き込み、様子をうかがってから……

柔らかくほくそ笑んで大希さんは再びうなじに顔を埋める。