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揺れる恋 めぐる愛
第7章 執着と決別
お互いの荒い息使いと時たま零れる甘い艶声だけが、

静寂を包む部屋に響く。

それからもしばらく私をただ探求する熱い躰の大希さんに、

いつしか困惑する気持も、懇願する思いも何もかも溶け、吹き飛んで……

ただただ与えられ、感じる躰に……

素直に従った。


そんな時間がどれほど過ぎ去ったのだろう?

気が付けば私たち二人は、露わな姿でベッドの上で横になっていて……

大希さんが私を抱きしめて耳元で静かに囁いた。

「ののか……

アレ、ある?」

躰も思考も蕩けて、それ以外の事がよくわからなくなっていた私は、

そのアレが一瞬何かわからずにいたが……

しばらくそのままにしていると……

ふわふわしながらももしやと思い至った。


それなら、あそこに……

気怠い躰に力を込め、右の人差し指で頭上斜め上にある引き出しを指さす。


「そう。わかった。ちょっとごめん……」

私の耳たぶにチュッとキスした瞬間、躰が震えて視界に火花が散った。

そのチカチカに何が起きたかと驚いている間に……

温もりが離れる気配がした。

それからしばらくして大希さんの熱い肌が再び私に寄り添う。


「ありがとう……」

そう言いながら躰を摺り寄せ、それから覆いかぶさるように

頭上から視線を合わせてきた大希さんは……

今夜見た中で一番艶やかな瞳をしているように思えた。
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