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揺れる恋 めぐる愛
第1章 躰と心
「宮地様、大変申し訳ありません。
こちらの所用で至急帰社しなければいけなくなりまして……
また後日でもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わないよ」
「本当に申し訳ありません。本日中には再度ご連絡いたしますので……
失礼します」
主任は何度も頭を下げながら、事務所を後にした。
車で事務所横を抜ける時、中からなんとなく視線を受けながら、
左折して国道を下った。私はぼんやりと車窓を眺める。
この道は戻る道じゃない。主任の意図を感じながら……
次はどこに行くのだろうと思っていると車がコンビニの駐車場に入った。
主任はスケジュール帳を開き、スマホをしばらく見ていたが
「ちょっと……」
と車を降りてしまった。
残された私はシートベルトを外して座ったまま伸びをする。
店の方を見ると、主任は外にある喫煙場所で一服しようとしていた。
煙をふかしながら遠くを見て佇むその無表情にドキリとした。
それからおもむろにポケットからスマホを取り出して……
その画面を確認すると瞳が緩んで一瞬少しだけ口角を上げた。
いつも違う笑み。主任にそんな顔をさせるのは誰なんだろう?
煙草を揉み消すと車に戻ってくる。
「藤木君は降りなくていい?」
「はい……」
「じゃあ、次に行こうか?」
主任は何事もなかったようにシートベルトをつけ車を走らせた。
こちらの所用で至急帰社しなければいけなくなりまして……
また後日でもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わないよ」
「本当に申し訳ありません。本日中には再度ご連絡いたしますので……
失礼します」
主任は何度も頭を下げながら、事務所を後にした。
車で事務所横を抜ける時、中からなんとなく視線を受けながら、
左折して国道を下った。私はぼんやりと車窓を眺める。
この道は戻る道じゃない。主任の意図を感じながら……
次はどこに行くのだろうと思っていると車がコンビニの駐車場に入った。
主任はスケジュール帳を開き、スマホをしばらく見ていたが
「ちょっと……」
と車を降りてしまった。
残された私はシートベルトを外して座ったまま伸びをする。
店の方を見ると、主任は外にある喫煙場所で一服しようとしていた。
煙をふかしながら遠くを見て佇むその無表情にドキリとした。
それからおもむろにポケットからスマホを取り出して……
その画面を確認すると瞳が緩んで一瞬少しだけ口角を上げた。
いつも違う笑み。主任にそんな顔をさせるのは誰なんだろう?
煙草を揉み消すと車に戻ってくる。
「藤木君は降りなくていい?」
「はい……」
「じゃあ、次に行こうか?」
主任は何事もなかったようにシートベルトをつけ車を走らせた。