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第9章 束縛と自由

濡れた吐息を吐き出しながら、ただ大希さんから与えられる快感に……

身を委ねた。

それからやっと……

膝下に大きな掌がかかった。

両方を優しく触れられて、それだけでも躰がビクリと跳ねるのに、

掬い上げられ、これでもかと思うほど

ゆっくりとゆっくりと大きく開かされる。


大希さんへの溢れる感情を隠すこともなくこの身に纏い

力の入らない躰をただ愛しい人のなすがままに委ねて……

いつの間にか目に溢れた涙を浮かべながら

ぼんやりと彼が落ちてくるのをうかがった。


大きく開かれた躰。腰を割って体を押し付けられながら……

彼自身がゆっくりと入ってきた。

繋がってお互いが混ざり合う感覚に、五感が研ぎ澄まされる。


大きなモノが私の心をこじ開けた時のように……

躰を押し開いて侵入し、彼の存在で何もかもがいっぱいに満たされる。

そのまましばらく動くことなく、ただ奥まで侵されて……

そのモノが中で質量を増した瞬間ピリリと痛みが走った。


その痛みがダイレクトに伝わってきて

深く眉根を寄せた私に気が付いたのか……

これ以上痛みを与えないよう身じろぎせず、柔らかく背中に腕を回して

私の躰を抱きしめた。


その彼に、包み込むような優しさを向けられたことが嬉しくて……

涙が零れた。